銭がめ温泉の前の道をそのまま進むと、やがて峠を越えて富山県南砺市(旧福光町)へ抜ける。このまま2件目に行こうと思ったが、ふと今月号の温泉博士に福光町の温泉が載っていたことを思い出し、ナビに入力するとそう遠くない。よっしゃ、行き掛けの駄賃、とばかり「ぬく森の郷」へ。いかにも行政がやってる、という感じで、金がかかったと思われる設備。
この施設、比較的新しそうという事もあるし、温泉博士に初めて無料パスポートを出したと言う事もあり、温泉博士を出しても「何これ?」という感じで要領を得ない。奥からベテランらきしきお姉さまが出てきて、スタンプをポン。やっと無事入浴できた。
内部はスペースを十分にとり、新しくて清潔で言う事無し。都会地のスーパー銭湯に比べれば、ゆったりとしており気持良い。湯は完全に無色透明の単純泉の循環殺菌。しかしながら、掛け湯だけは源泉が注がれており、飲泉できますの看板と一緒にひしゃくまで置いている。一杯ご馳走になったが、まあ特に何という事も無い味(無味)。露天からの景色は素晴らしく、眼下に広がる低山や畑の向こうに、遠く能登方面の山々が望める。
軽く浸かって体を洗い、さあ次ぎへ...と帰りかかると、妻が何やらポスターを発見。そこには、棟方志功と小泉親子とか、小池邦夫の文字がが...内容を見ると、どうも小池邦夫(日本での絵手紙の創始者)が来て、作品を展示すると同時に棟方の話をする講演会があるみたいだ。開催日を見ると今日だし、時間を見ると2時から、おお丁度今からだ。おまけに開場の福光美術館は、確かここへ来る途中に看板があったので近いハズ。という訳で、急遽温泉ローラーに芸術の秋が割り込んできた。
どうせ田舎の美術館、たまにはゆっくり絵でも見るかな!と行ってみてびっくり。結構広い駐車場が、第1から第3まで満車。美術館前の道路は路上駐車の列。ええ...なんでや?こんな小さな町に、こんなに美術愛好家がおおるんか?と言いながら、少し離れた体育施設風の駐車場に車を停めててくてく歩く事にする。なんと開場に入ると、おばちゃん連中でごったがえし、いや~絵手紙って結構な人気なんだ。やがて始まった小池邦夫の講演を聞き流しながら皆様の作品を鑑賞する。そうか、講演を聴いてやっと思い出した。ここ福光は棟方志功が疎開ししてきて、しばし滞在した場所だ。昔テレビでもやってたな~。思い出すのが遅い...。
てな訳で、今度は入館料を払って、本展示場を見学する。小池邦夫先生の公演中という事もあり、殆どのおばちゃん達はそちらに釘付けになっている。お陰で展示の方はゆっくり見て廻れる。1階は主に小池邦夫の作品と、棟方の次女である小泉ちよゑの作品。絵に関しては素人の私には、良く値打ちは分からない。それでも小池邦夫の作品の中には、はっとする物がある。一番印象に残ったのは、富岡鉄斎の模写。残念ながら小泉ちよゑさんの作品には、私に届くものは無かった...と感じていると、なにやらおばさんが大きな声でガーガーしゃべっている。なんじゃいな、とコーナーを廻ってみると、テレビカメラの前でしゃべっている人、確かにその辺りで見た写真の人だわ。どうやら娘さんが、棟方の絵を前に、福光時代の思いでをしゃべっている、という構図と思えた。
2階の常設展示場には、この美術館所蔵の棟方の作品を展示している。おお、この絵は見た事がある、昨年広島の熊野町で見た作品だ。という訳で、1年ぶりの再開。特に釈迦十大弟子は迫力満点。
その後、小池邦夫のサイン会があり、しばしそれを眺める。著書に1冊1冊筆を走らせる様は、素人目にもなかなか見事。修練の賜とはいえすごいもんだ。
という訳で、えらい寄り道をしたが、やっと初期の目的である「福光華山温泉」へ。まあこういう具合に、出たとこ勝負で旅を楽しめるのが自動車を使った個人旅行の気儘で良い所かな。さて今度も自遊人のお世話になった華山温泉。ちょっと黄色味がかったきれいなお湯は、薄塩味の付いたNa塩化物泉。ちょっとつるつる感もあり、露天は温度も適温。既に本日3湯目なので、長湯はできないかったが、大きな観光旅館風という外観に似合わず良い湯だった。自遊人さんありがとう...
今日の話しには続きがある....
今日の泊まりは五箇山にある合掌造りの民宿。宿に入ってすぐに、合掌造りの集落として有名な相倉集落へ出かけた。夕暮れの集落を楽しんでいると、前からなにやら賑やかな集団が来たな~と思って見ると、なんと昼間見た小池邦夫さんがいる。とりあえずすれ違いの時にこちらから挨拶したが、何やら向こうも知己のような対応をしてくる。二言三言言葉を交わしただけだが、なんと世の中結構偶然があるもんだ。
今日は有名人に出会った...(゚゜)バキッ ☆\(--;)
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