2月8日(日)、朝起きると少々雨模様。昨日食べ過ぎた分を少しでも消費すべく傘を持って散歩に出る。YHから少し下がった所に、昨日見つけた気になる看板が。「参勤交代の道(豊後街道)、石畳の道」、これは朝の散策には丁度よさげだ。傘を差すまでもない程度の中を、石畳の旧坂を登ってみた。その昔、この阿蘇外輪山を越える峠道があまりに険しく、雨が降るとぬかるんで難渋するので、ここに石畳を引いたという事を説明書きに書いてある。
石畳...といううより、岩畳と言えるくらい、大きな石を粗く敷き詰めている。昔の雰囲気を出すために、ちょこっと観光用に道を再現した程度だろうと思っていたら、全然違った。登っても登ってもキリがない。途中林道のような道と公差しながらどんどん上り、やがて阿蘇の草原風になってきた。これはいかん、このまま行っても、どうやら峠まで続いている。宿の朝ご飯の時間に遅れてしまう。という事で途中で引き返し。天気の良い日なら、外輪山の上まで歩けば展望も良く気持の良い散策道かもしれない。今回は途中でパス。
さて温泉の話し。朝食後早速出発。外輪山を越えて、南小国町から小国町を経由し、R387の小さな峠を超えればもう大分県。この辺りは昨年も夏のローラーで走り回った地域。しかし峠の道が、新しいトンネル開通によってえらく良くなっている。大分道方面から阿蘇へ抜ける最短の道かもしれない。目指すは「壁湯温泉福元屋」。その世界ではなかなか有名な温泉だが、今まで前を通り過ぎるばかりで未入浴。今回自遊人パスポートを機会にちょっと足を延ばしてみた。
福元屋さん自体は、国道から急勾配の斜面の下、川沿いにある。アプローチは階段しかない。ちょっと母親を連れて...は無理だな~。受付ではとても親切に対応してもらい、いざ少し上流の壁湯へ。なるほど、渓流添いの岸壁がえぐれた部分から湯が湧いているようで、川側を仕切れば自然の浴槽になる。覚悟はしていたが、湯はぬるい。この時期ならなんとか我慢できるが、真冬で風がある日だと、湯上がりで着替えをするのが辛いかもしれない。湯は僅かに泡付きと温泉臭(噴気臭?)はあるものの、とても綺麗な無色透明。川底まで透き通っている。まあここは湯云々というより、このロケーションを楽しむところだろう。湯は何処から湧いているのか良く分からないが、流出口の流量からみて相当な量が湧いているのだろう。深い岩の裂け目(窪みと言うか)があるので、その奥からでも湧いているのだろう。何時までも入っていたいぬる湯だが、先のある身、適当に切り上げる事とする。なおこの壁湯は混浴だがタオルOKなので、女性客も入浴しているそうな。近くに女性専用浴室もあるが、当然ながらここ程の開放感は無いだろう。
さて来た道を引き返し、再度熊本県小国町にバックする。ここに来て、黙って通り過ぎる事はできない、そう私のお気に入り温泉最上位にランクされている「奴留湯」だ。ワクワクしながら国道をそれる。駐車場は無人、今日も貸切だ。この奴留湯、有名な割には過去人に会った試しがない。こんな良い湯を一人占め、まさに極楽...
季節柄ここも名前通りぬるい。壁湯よりも少しぬるいくらいだが、室内にの分暖かく感じる。湯船の縁に頭を乗せて目をつむれば、たちまちうつらうつらの夢心地。硫黄の香りと少しの泡付き、大量に掛け流される湯の流れ。ふと目覚めて気が付くが、どの位の時間が経過したやらさっぱり分からない。やっぱりここはええな~。帰りは持参したペットボトルにお土産の温泉水を詰める。飲んでもうまいわ。¥200のお賽銭方式、安い。
道の駅小国やその近くのスーパーで昼食&時間をつぶしをし、お次は隣町である南小国町は超有名所、黒川温泉の黒川荘へ向かう。ここ黒川荘は初めての訪問。当然のように自遊人温泉パスポートのお世話になる。受付はとても丁寧で気持よし、人気の高級宿だけある。泉質は含硫黄Na炭酸水素塩泉とある。塩味は感じるが、あまり硫黄の香りは感じない。炭酸水素塩泉らしくツルツル感が良く、色はうぐいす色というか、淡緑黄色というか、この辺りで良く見掛ける色。大浴場+露天が2つあり、それぞれが結構大きな湯船になっている。一巡りしたが、すぐ外のぬる湯露天風呂が気に入って、一緒になったおじさんと温泉談義に花が咲く。さすが天下の黒川、湯良し、宿よし、客よし、結構な時間を過ごさせていただきました。感謝!
この日は中日と言うことで、さらにもう1湯欲張る事にした。熊本県側から瀬の本を越えて大分県旧久住町側へ越える。久住高原のなかにある、「パルクラブ 大地乃湯」、今回は温泉博士のパスポートを使用。実はあまり期待していなかった。雑誌の写真を見ると、モダンなホテル風の写真があり、まあ風呂代わりに体を洗うか...程度であったが、さすが温泉王国、見事に裏切られた。農業を主体とした諸設備の中の日帰り温泉施設。予想に反して小振りで、清潔な新しい建物。温泉に入って驚いた。掛け流しの緑黄色、先刻の黒川に似た泉質だが、湯だけなら決して負けてはいない。Na.Mg-塩化物炭酸水素塩泉。ツルツル感もあり、さっぱりした湯。この手の湯なら数入っても体は拒否反応を起こさない。特に露天は私好みの温度で、しばしの時間を湯の中で気持ちよく過ごした。なかなかの穴場的存在。結構でした。
さていよいよ今日の泊まり。いつも前だけは何度も通っている、長湯と久住の間、七里田温泉入口近くの、「三船温泉、民宿城山」。場所柄湯が悪かろうはずは無いし、値段の割に料理もとても良いという噂。
湯は、大体今までと似た感じで、Mg・Na-炭酸水素塩硫酸塩泉とある。色や味、感覚的には今までの黒川荘や大地乃湯より薄い印象だが、析出物の堆積はこっちの方が断然多い。成分の違いなんだろうが、ちょっと不思議。宿泊して何度も浸かる湯は、あまり強烈な濃い湯よりも、少し薄目の優しい湯の方が良いのかもしれない...というのが今回の1つの結論。何度入っても気持の良い湯でありました。
料理は...これは凄かった。当然民宿料金で泊まったのだが、肉は豊後牛の溶岩焼き、魚はアマゴの塩焼き、天ぷらにローストビーフに....下手な中級旅館より余程豪華。難を言えば量が多すぎてもう入らなね~...。仕方なく最後のとり釜飯は半分おにぎりにして持ち帰った。これで明日の昼飯げっと~...(゚゜)バキッ ☆\(--;)
長湯辺りに泊まるとき、低予算ならここはお勧め。
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