明けて12月23日、鰻温泉を出発してまずは長崎鼻へ。この日は最高の天気で雲一つ無い。眼前の開聞岳もどんと聳えたっている。さすが南国、冬といってもとても暖かい。聞くと今日は特別暖かい訳では無く、こんなもんだとか。そうか鹿児島でも南端に来るとこんなに暖かいのか!売店のおぢさんと話しをすると、この3連休はとても暇...なんだそうだ。いつもはこんなにガラガラじゃなく、正月なんかはお客さんで混雑するそうだ。考えてみると、今日みたいな日は日本全国大掃除の日であり、ふらふら遊びに来ているのは我々くらいだ。おかげでこんな観光地でもゆっくりできる。
長崎鼻観光の後は、今度も観光定番の知覧へ。見所は2箇所あり、武家屋敷と例の特攻平和館。時間も無かったし、見れば涙だらけになるのが目に見えているので特攻はパス。かってここを見学した後、本当に前の車に特攻したSARUがいたな~....(゚゜)バキッ ☆\(--;)PSX
武家屋敷跡はとても綺麗に整備されており、すがすがしい雰囲気。なるほど昔の薩摩藩はたいしたもんだ。島津の分家でさえこれだけの屋敷を連ねていたんだ。それにしても1軒1軒の屋敷の面積の広い事。思うに上級武士だけではなく、それ以下の武士屋敷もあるのだろうが、この面積はすごいな~、掃除が大変だ。
知覧町(そう言えば今は合併して新市・南九州市になっているんだ、この夏は無線しに来なくっちゃ!)に入って面白いのは、どの通りの街路樹も槙の木で、しかも綺麗に刈り込まれて剪定されている。こりゃ大変は労力だ、昔からの習慣があるのか、観光化の為か。どっちにしても綺麗な事は良い事です。
ちょっと道草が長かったので先を急ぐ事にする。加世田市から旧日置郡金峰町を通って吹上へ。この辺りは昨年の夏に南薩摩市移動をしたときに通った道。ちょっと懐かしい。吹上温泉も魅力的だったが、先が長いので通過、旧東市来町へ向かう。お目当てはネットで目を付けていた「田之湯温泉」。しかしナビに電話番号入力しても「個人宅」とかで案内してくれず。住所から検索しても、変な山の中に連れていかれる。段々腹が立って、思わず却下~。後で調べると、すぐ傍を通っている。まあ縁が無かったと言う事で、大日本朝風呂党本部は次回のお楽しみとしよう。仕方ないのでそのまま先に進み、川内高城温泉にむかう。
川内市から阿久根市に向かう山の中、ここも西郷どんゆかりの地だ。そそれにしても薩摩人は、いや日本人はというべきか、西郷どんが大好きだ。功績からすれば大久保どんも負けてないと思うのだが、心情的には西南戦争の敵方なのかな?その西郷さんが入浴している湯船の前にある、高城温泉では一番大手の宿であるマル善に向かう。場所が見つからないほど鄙び系も困るが、このマル善ほど広告・案内板が多いのもちょっと興ざめ。でもまあ湯が良いから許すか!
川内高城温泉。前にも来た事があり、このマル善ともう一件、食料品などを売っているお店の裏側という雰囲気の共同湯に入った。今回は湯の印象が良かったマル善にする。外見が立派な割には低料金、250円なりは好印象。中は歩行浴まで付いた広い内風呂、打たせ湯、むし風呂と、それに露天があり充実している。むし風呂は他の温泉のような噴気による蒸気ではなく、湧きだした温泉をシャワーのように降り注がせ、そこで発生した蒸気で蒸し風呂にするというタイプ。降り注いだシャワーは、隣の広い湯船に流れ込むので、温度を冷ます効果も狙っているのか?結構硫黄臭のするむし風呂は結構気持良くお気に入り。但し大きなメイン湯船は熱すぎてちょんと浸かるだけ。露天は冬のせいか、適温に冷めておりとても気持良い。後で聞くと、女性用露天風呂は熱くて熱くて、強敵だったらしい。打たせ湯はぬるくて、とても気持が良い。どの浴槽も掛け流しで、硫黄分の濃い湯。源泉温度が高いので、どうしても湯船も熱くなりがちなのが辛い。熱湯好き、硫黄臭好きにはたまらん湯でしょう。
高城温泉の後は、そう時間的余裕も無いので、途中阿久根の道の駅を冷やかしてから出水市へ。まずは出水と言えば鶴、田圃の真ん中にある鶴観察センターへ行く。なにやらこの界隈も、昔出水市/出水郡の運用をした辺りだ。田圃を走っていると、あれ、左右のあちこちに鶴がたむろしている。おお~鶴だ...と感激していると、どんどん数が増えてあっちこちに鶴がいる。先日の北海道では、合計でも10羽ちょいしか見られなかったので、ここの鶴工密度は異様に高い。
鶴観察センターに近づいて驚いた。向こうに見えるのは鶴の大群。どこを見ても鶴だらけ。群れて固まって、えらい事だ。おまけにハトやからすまで参戦している。どうやら与えられた餌に群がっている模様。まあこれだけ鶴が群れると、迫力はあるが情緒は無い...おまけに主力が黒っぽい「ナベヅル」だから、ちょっ見にはカラスでも群れているのかと錯覚する程。よく見ると、中に白っぽい「マナヅル」も混じっている。こっちは確かに鶴とイメージが強い。掲示番を見ると、ただ今の総数12000いくらか羽とか、どうして数えたんだろう。北海道のたんちょうとは随分雰囲気は違ったが、これもツル、あれもツル。いや~ツルツルでした。という訳で、大分夕方になったので今宵の泊まり場である「湯川内温泉、かじか荘」へ向かう。
湯川内温泉。以前夏のローラーでJG3XTZさんと訪問し、お気に入りになっていた温泉。機会があれば一度泊まりたいと思っていたが、やっとチャンスが巡ってきた。湯は無色透明、若干薄緑がかっているか?37.7度の温湯、アルカリ性単純硫黄泉。と書いてしまうとどこにでもあそうだが、これが足元自噴温泉で、私の好きな泡付き有りとなれば、もう比べるものが無い。強いてご近所で似た湯を捜すと、白浜にある椿温泉富貴か、岡山湯郷温泉鷺温泉の療養館くらいか。それでもココには叶わない。深いゆ湯船の底まで見渡せる、透き通った清澄な湯。その玉砂利を敷き詰めた底から、ポコポコという泡と一緒にわき出る湯。いや~、こりゃこの世の天国でんな~。
今回は張り込んで、この宿で一番高い部屋を取った...というと大袈裟だが、電話予約の際にはバストイレ付き、渓谷の見渡せる部屋で、御1人様1万円なり。宿に着くとえらく待遇が良い。車はこちらへどうそ、お部屋はこちらへ、お風呂はご自由にと...今まであまり経験した事のない扱いに、安宿専門の我々にはちと居心地が悪い。風呂は宿に近い下段と、ちょっと上に離れた上段があり、どちらも足元自噴。しかし私の好みは上段の狭い方。少し歩いて登らなければいけないが、ここの湯はええ。温度が低いので。30~40分以上は入らないと、冬場が体が温まらないが、今日は泊まりなので心行くまで長湯を楽しむ。
ああ、ええ思いをした。結論:高級宿の安い部屋をとるより、安宿の中の一番良い部屋をとるべし...ほんまかいな?でも次回はここの自炊湯治部屋に泊まろう。
ここはお勧めです。ぬる湯好きには極楽のようなところであります。
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